パートナーがいれば、セックスするのは当たり前。そんな考え方の人も多いかもしれません。

しかし、本当にそうでしょうか。

まだまだタブー視されているセックスの話題では、多様な考え方があることが見えにくくなっています。

今回は、「セックスは必ずしも必要ではなく、精神的なつながりがあれば十分」と言うKさん(40代・女性)にお話しをききました。

「セックスは結婚してから」と考えていた

ーご結婚される前はセックスをどのように捉えていましたか?

私は考え方が固いほうで、付き合いたての頃に彼には「セックスは結婚してからでないといやだ」と伝えていました。結婚前に妊娠する可能性もゼロではないし、無責任なこともしたくない。その気持ちから、結婚してからじゃないと…という思いが強くありました。

当時から自分にとって「セックスは絶対必要」とは思っていなかったと思います。それなりに性欲もあるけど、漫画を見てセルフプレジャーをするなど、今はひとりでできることも多いですよね。

ー付き合っているときはどのようなコミュニケーションをとっていましたか?

キスやハグはしていました。しかし、今振り返るとスキンシップも私と夫で感覚のちがいがあったなと感じています。

夫は、何度か遊びに行ったら親しくなったと思ってキスやハグなどの接触をしたいと思っていたようです。

私は、遊びに行っただけではそこまで親しくなっていないと思うので、それだけではキスやハグに抵抗がありました。その先のセックスなんて、大して仲良くなっていないのにセックスしたところで相性以前の問題なんじゃないかなと思います。

仲良くなって心や身体を許すまでには、人生経験を共有したり、結婚する予定ならば、子どもや親、家のことをお互い話したりすることが必要だと思います。そうすることで、生きてきた環境と今いる状況を確認しあってお互いを知ることがだいじですよね。

私はそういうことを含めて「お互いよく知っているね」という感覚が、精神的につながっていると感じて満足するんです。

ーセックス以外のご夫婦でのコミュニケーションはいろいろあるとは思いますが、今はどんなときに精神的なつながりがあると感じますか?

穏やかな状態で、落ち着いて生活できているときですかね。ケンカをするときもあるけれど、一緒に穏やかに生活しているときに精神的な充足感を感じています。家族でぼーっとテレビを観ているときなどに幸せを感じます。

正直なところ、夫とセックスするよりも、セルフプレジャーのほうが快感は得られています。なので、セックスをして精神的な充足感を得ようとは思っていません。家族みんなでいるときに充足感が得られれば十分なんです。

ーでも、今も月に1回程度はセックスしているんですよね?

セックスはふたりでするものなので、緊張もするし、相手のことを考えたり、心配したりして気を揉むことが多く、私にとっては疲れてしまいます。

ですが、結婚はひとりでするものではなく、ふたりで生きること。

だから、相手のセックスしたい気持ちに応えることも必要だと思ってしています。

また、子どもも希望しているので、そのためにセックスしています。

ー旦那さんにはKさんがセックスをしたくないことは伝えていますか?

セックスが好きでないことは伝えてはいませんが、求められた際に1回はっきりと断ったことはあります。

また、私は嫌な気持ちをその場で伝えることがうまくありません。だから、セックスを含めて嫌な気持ちになったときは、メールでテキストにして伝えます。

そのほうが、自分の気持ちを整理できるし、相手にもうまく伝えられるんですよね。

セックスよりも深い話をすることが最大級の愛情表現

ーあらためて、Kさんにとってセックスは必要ですか?

「個人」と考えるとセックスはあまりしたくないし、不必要だと思います。

それに、セックスしないからといって、心が離れてしまう、とは1ミリも思いませんでした。

ーそれでは、Kさんにとってセックス以上の愛情表現はなんですか?

私の場合の最大級の愛情表現は、より深い話をすることなんです。この深い話をするということは、あなたを信頼していますよ、という証拠。夫にも同じ質問をしてみたところ、「ぎゅっとハグをすること」だそうです。私も説得力や安心感を感じることがあります。

これからも私たちなりの愛情表現で、より親しい夫婦関係を築いていきたいなと思っています。

**

「セックスって必要ですか?」

セックスレス大国とも言われ、深刻な少子化も問題視されている日本。コロナの影響を受け、人とのふれあいにも変化があったのではないでしょうか。

仕事、恋愛、家族、育児…それぞれの社会の中で生きるわたしたち。

あなたにとって、セックスは必要ですか?

本特集では、みなさんからたくさんの意見が寄せられました。

セックスをしたい人・したくない人、必要な人・必要でない人、どんな人も、世間の当たり前に囚われることなく、自分らしい選択ができる社会になることを願っています。

New Article
新着記事

Item Review
アイテムレビュー

新着アイテム

おすすめ特集