【今月のお悩み相談】
32歳です。
30歳までは進学・就職・仕事・恋愛など、目標を持って進んでいた実感がありました。
しかし、30歳を過ぎてからは「もう32歳だしな…」と年齢に捉われて諦めることも増え、やりたいことや新しいことに踏み出すのも躊躇してしまいます。
周りを見ても、そうです。
30代にもなると人それぞれ進む方向性がさまざまなため、私は「自分の人生これで良かったのかな?」と不安と孤独に苛まれることがあります。道がたくさんあるのはいいことだと思うのですが、過去を振り返って「あっちの道に行っていればどうだったかな?」と思うことも…。
そう考えていくと、気持ちが後ろ向きになって、もやもやしたり落ち込んだりしてしまいます。
何か前向きになる言葉があれば、前に進む活力になりそうなので、教えてほしいです。
(32歳・女性)
30代の強みは「まだ若いから」と言わせないことにある
こんにちは。露の団姫(つゆのまるこ)です。
32歳で諦めることが増えただなんて、なんともったいない!
お経の中には「諦」という漢字がよく出てきますが、この「諦」は「ものごとを断念する」という意味ではなく、「ものごとを明らかにする」という意味を持ちます。今回もあなたらしく生きられる方法を明らかにしていきましょう。
まずは、年齢についてです。
相談者さんは「30代」をネガティブに捉えているようですが、実は30代こそ「自分の道」を開くチャンスです。
思い出してみてください。20代の頃は、「まだ若いから」という理不尽な理由で、本当はできる仕事を与えてもらえなかったり、その才能を見てもらえなかったこともあったと思います。
そのような「まだ若いから」という言い訳を相手にさせない、言わせない。それが30代の強みなのです。
私自身、現在35歳ですが、20代の頃にお悩み相談を受けていると「まだ若いから悩みの相談相手になんてならないだろう」「あなたはまだ若いから信用できない」とよく言われました。
それが30代になった途端にピタっと言われなくなったものですから、30代になってからの方が自分のやりたいことに取り組めていると感じています。
「若い=できない」は固定観念であり、場合によっては20代の才能を都合よく封じ込める呪いの言葉です。
しかし、そういう固定観念を持つ人がいまだに多いからこそ、30代という年齢を隠さず、むしろできるだけプラスに捉えて、自分の「貫録」になるよう進んでいきましょう。
また、30代は、20代の活力と40代の落ち着きを自由に行き来できる変幻自在の世代です。ものごとに躊躇せず、32歳という今をどんどん活かしてみてください。
他人の人生を見て焦ったときは、自分の過去を振り返ってみる
ところで相談者さんは、「道がたくさんあるからこそ過去を振り返ってしまう」とのことでしたが、本当にそうでしょうか?
私は、道がたくさんあるというよりも、そもそも決まった道などないと思っています。なぜなら、あなたが歩いてきたあとがあなたの道になっていると思うからです。
1985年に制定された男女雇用機会均等法により、女性の働き方や生き方が多様になりはじめたのは、今からまだ30年ほど前のことです。しかし、ここで私たちが働いていく中でやってしまいがちなのが「先輩女性」を目標にし過ぎてしまうということです。
例えば、同じ業界の先輩に「パイオニア」とされる女性が3人いるとします。
するとつい「自分は、Aさんか、Bさんか、Cさんか、どの人を目指したらいいんだろう?」と、その先輩の姿、そして彼女たちが歩んできた道に自分の未来を当てはめようとしてしまうと思います。
しかし、私たちは誰ひとりとして同じ人間はいないのですから、3人の先輩女性を目指して努力をしたとしてもその先は、AさんでもBさんでもCさんでもなく、新たなDさん、つまり「あなた」自身になっているということなのです。
そこに気が付けば、道がたくさんあるように思えて焦りを感じても、それらは自分の道ではないことがわかりますし、その道の先も不安に思う必要はありません。
そして、自分の過去の道を振り返る必要があるとしたら、それは「あのとき、なぜ石につまずいたのか」そして「その石をどうやって払いのけたのか」ということでしょう。それこそが、あなた自身が身につけた過去の経験値であり、未来を歩んでいく鍵となります。
あなたの道の最前線を歩いているのは、常に、あなた自身です。そして、人生は「道」であると同時に、「未知」でもあります。
自分というまだまだ未知の存在を怖がっていては、道は開けません。30代という年齢を怖がらず、自分の「未知」と向き合い、「道」を切り開いていってくださいね。