現役陸上選手としてご活躍されている中村水月さん。陸上選手としてのご自身の経験、そして陸上競技やスポーツを続ける中での生理との向き合い方について、シェアしていただきました。

  • 体脂肪率はしっかりあるのに生理がこない
  • 生理が月に何回も来る
  • PMS(月経前症候群)で辛い
  • 生理前になるとむくむ
  • 生理痛がひどい

こういった悩みは、アスリートであれば必ずと言っていいほど通ったことがあるんじゃないかと思うんです。

あとこれも多いですよね。「生理こないけど楽だしいいか〜」 みたいも良く見かけます。

知っていましたか?無月経の人は、正常月経の人に比べて疲労骨折の確率が3倍以上にもなるらしいですよ。

実際に私も

  • なんとなく体が絞りきれない
  • 生理が19日または18日おきにくる
  • 体脂肪率が急激に落ちる
  • 周りの人に感情を過度にぶつけてしまう
  • 生理周期が不順で、生理がくる予想がつかず体や心の変化に対応しにくい

などということがありました。

ここからは、あえて心の問題には触れていません。もちろん、自分の体の変化は心と深く関わっており、切っても切れないものです。女性の体に起こる生理は、多くの女性のストレスになっている気がします。だからこそ、生理の改善は心を豊かに保つきっかけになると考えています。

先に前提として赤裸々に言いますが、2019年度の私の体脂肪率と骨格筋肉量(InBody770)は、

7月:体脂肪率18.5% 骨格筋量:28.4kg

10月:体脂肪率12.9% 骨格筋量:28.8kg

身長171cm

体脂肪と骨格筋量の単位が揃っていないのは、InBodyの結果を印刷した際に私が見る部分を表記しているからです。

自分で自分の体型を簡単に説明するとすれば、太りやすくて(付きやすい)痩せやすい(絞りやすい)。

試合当日に大量の不正出血

大学生まではあまり体組成計などを測る機会がなく、大学4年の8月に測る機会があったので興味本位で測ってみたんです。そしたら、体脂肪率が8.3%。女の子が体脂肪率10%を切ると体に良くないと言われており、その数値だけだと結構有名なんじゃないかと…。

その年の試合の出場数は、例年と比べると多くてずっと絞りっぱなし、みたいなシーズンだったのを覚えています。シーズン後半はモチベーションを保つのも大変で、「心も体もずっとスイッチを入れっぱなしじゃないといけない」と自分を追い込んでいました。以下が、その年に出場した試合スケジュールです。

4月

大阪インカレ(大阪),織田記念陸上(広島)

5月

関西インカレ(大阪),ゴールデングランプリ(大阪)

6月

布勢スプリント(鳥取),学生個人選手権(神奈川),日本選手権(大阪)

7月

西日本インカレ(広島),アジア選手権(インド)

8月

ユニバーシアード(台湾)

9月

全日本インカレ(福井)

10月

国体(愛媛)

私の体に変化があったのは、9月の全日本インカレの時です。

全日本インカレが始まる何日か前に生理が終わっていたはずなのに、試合の初日に大量出血してしまったんです。たしかにその前から体重が急激に落ち、増えなくなったのを覚えています。それで不安になって、試合後すぐに産婦人科へ行き、1カ月分のピルを処方してもらいました。それで不正出血は治りました。

ちなみにそこからも生理は不順なまま。ただ、シーズンオフになったこともあり、結構長い期間放置してしまっていました。

アスリートにとって、生理を管理し自分を知ることの大切さ

私は、昨年の2月に埼玉に引っ越しました。しかし、引越し当時は、知り合いがほとんどいなく、今まで以上に自立した生活を送らなければいけないと感じた時に、やはり生理のことが気になってある病院を訪ねました。

みなさん、産婦人科の先生にもスポーツドクターがいるのをご存知ですか?

私は、その存在を海外遠征の前、ナショナルトレーニングセンターで行われる派遣前手続きのときに教えてもらいました。

そして、調べてみると、自分が住んでいる近くの病院に産婦人科のスポーツドクターがいることが判明。産婦人科を訪ねてみたところ、「スポーツ選手にはこの種類のピルがいいよー」とか血液検査をしてくれたり、膣の検査をしてもらったりと、とても安心できました。

また、1カ月飲んでみて体に合うと分かれば、そのあとは、1年に1回程度の定期検査以外は病院にいけばピルを受け取れるというのがとてもよかったんです。

ピルは1シート大体1カ月分。生理を一度に止められる期間は最短20日最大3カ月。ピルを飲み続けて4日ほど休止期間を設けることで生理を起こせます(*ヤーズフレックスを服用)。

ピルを飲み始めてからは、自分の好きな時に生理を起こせるし、生理痛や気持ちの面での不安定が完全になくなるわけではないけど確実に楽にはなりました。さらに言えば、自分で生理を管理しているから生理前の予測ができて対策もしやすい。

*ヤーズフレックスについては、こちらの記事を参考にご覧ください。

生理を好きな時に起こす

私は生理前になるとむくみや腹痛・腰痛・食欲が増し、感情の起伏が大きくなるので、練習が軽めな週にピルを休止して生理前〜3日目の状態に持っていき、練習を詰む時期には生理4日目〜生理終わりと体が動きやすい状態に持っていくようにしています。

生理を管理する、そして管理することで自分を知るということはアスリートにとってとても大切なことではないかと私は考えます。

ここまで生理の話をしてきましたが、一番はしっかり栄養の取れた食事、睡眠、適正な体重管理ができることが必要だと考えます。

私がこの記事で言いたかったことは、通常誰しも1カ月に1度くらいのペースでくる「生理」に個人差があるのは当たり前で、人によって年齢によって差はありますが、「長い間こないな〜」「生理前しんどいな〜」「生理痛キツイな〜」っていう少しの自分の変化を見過ごさないで欲しいなと思うんです。

走っていて痛いところがあったら治療しますよね?左右のバランスが崩れたら修正しますよね?生理もそれと同じように捉えてもらえたらと。あとはピルに対しての偏見が少しでもなくなればいいなという思いでこの記事を書きました。

少しでも悩んでいる方に届いてほしいと思っています。

(本記事は2020年2月6日note掲載「女性アスリートの生理の話し」を一部編集し転載したものです)

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