2021年に乳がんが発覚し、その後手術を受けた様子をInstagramに絵日記で公開しているこほこさん。

前回は、乳がん発覚の経緯から検査までを当時の気持ちとともに綴ってもらいました。

今回は、告知を受けてから手術までの間におこなったことを紹介します。

乳房全摘出に。夫の優しさが身に染みた

イラスト=こほこ

乳がんの告知から3日後。

CTの結果と紹介状を携えて、夫と共に手術してもらう病院へ。

告知を受けた病院で撮影したMRIでは

どこに腫瘍があるかハッキリわかりませんが、マンモグラフィでわかった石灰化の広がりや、進行リスク再発性が高い「小葉がん」であることを総合的に判断して「全摘」した方がいいとのこと。

部分切除で済めばいいんだけどなぁ…と諦めがつかずモゴモゴしてると、夫が「もう一度MRI撮影を」と医師に伝えてくれました。

優しい〜。

セカンドオピニオンのことも聞いてくれる夫。

優しさ〜。

夫が途中で仕事に向かったあと、医師がエコーしながら「優しい旦那さんですね〜」と言ってくれました。

夫、グッジョブ!

手術日は、同時に乳房再建できるタイミングに手術日を決めました。

ちなみに術後の病理診断では、数カ所に腫瘍が散っていることがわかったので、全摘でよかったです。

職場への報告。家族以外に話すことで、ようやく乳がんを実感

イラスト=こほこ

乳がんの告知から4日後のこと。

手術日が決まった翌日、すぐに職場に報告へ。

テレワーク中で人がまばらなオフィスへ上司その1を捕まえにゴー!テレワークしている上司その2にはZoomを接続!準備は整った。

普通に話すつもりが、他の人に話したのが初めてということもあり、すこぶる緊張したのを覚えています。口に出してみて、自分でもようやく実感…。

自分が乳がんで手術なんて、まだ信じられないよ〜。情緒ヤバい…。

プルプル震えながら話したグダグダの説明を、ふたりの上司が優しく受け止めてくれました。

病気休暇中の応援スタッフや、引き継ぎ、情報共有などは、全部上司の判断に任せることにしました。

人事と病気休暇の手続きをしていると、担当の方が

「見つかってよかったですね」

「人間ドック行ってよかったね」

と言ってくれて、本当にそうだなと思いました。

ちゃんと見つかってよかったよ。

実家の家族に報告へ

イラスト=こほこ

告知から5日後。

実家に報告するため急遽週末に帰省。

急遽すぎて母は登山の日だったので、帰るまで待ってご報告したら

「そういうこともあるわよ〜」

「ひいおばあちゃんも乳がんになってたけどずっと元気だったわ〜」

と言ってくれました。

「こんなに小さい胸のどこにがんができるんかね〜」と笑っていました。

ほんまに!小さいのにね(笑)。

母を待っている間に、父と姉には先に話して、待っているときは胃がキリキリしちゃったけど、話せてホッとしました。

あとは治すだけさ〜。

手術2カ月前。再度造影MRI

イラスト=こほこ

もう一度造影MRIを撮影してもらいに病院へ。

撮影後、ゆっくり起き上がると平行感覚がマヒ。フンワリしていると技師さんがガシッと受け止めてくれました。好き。

帰りのバス停で軽い頭痛と胃のムカムカが…。疲れがたまってるのか造影剤の副作用か分からんけども仕事はお休みにしました。

造影MRIには、ちょっと腫瘍が写っていたけど、写っているもので全てか分からないため、全摘にしてもらうことに。

乳頭も再建できるのかしら?と気になったものの、やむなし…。

この日はMRIだけではなく、他の検査もいくつか行いました。

手術前の検査のスタンプラリー

イラスト=こほこ

2回目のMRIを撮影した日に、他の検査も行いました。

採血、心電図、肺機能など、手術に向けた検査のスタンプラリーをこなすよ。

広い病院ダンジョンの時間内ミッションクリアを目指し、マップと天井看板を頼りに目的地(受付)へ辿り着く。

唯一受け身でない肺機能検査で高得点を叩き出したく、太い管に向かいマスクをずらして頑張る。

もっと息を吐き切って〜とやり直ししてクリア☆

よっしゃ順調じゃ。

形成外科で再建の相談

イラスト=こほこ

手術1カ月半前に、乳房再建の相談のため、初めて形成外科を受診。

乳腺外科の先生と全摘+同時再建のお話したときは

「自家組織から取ってくるなら太ったほうがよいかも…?形成外科の先生と相談してね」とのこと。

仕事の忙しい時期とも重なり、食欲不振になって体重が落ちていたのでカロリーが高いと評判のタピオカドリンクを飲む。

ウマイ…。

「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」を読み、自分は自家組織で再建したいと思い、形成外科で相談してみることに。

自分の体の組織を用いて行われる「自家組織による再建」は、インプラントによる再建と違い、免疫反応はなく、自然でやわらかいふくらみを乳房に作ることができます。

時間が経っても、メンテナンスの必要性が少ないことも嬉しいポイント。

自分の体のどこの部位を使うかを決める際には、本人の希望とともに、乳がんの切除範囲、切除量、もともとの乳房の大きさや体型(脂肪が多めか少なめか)なども大きくかかわってくるので、医師との相談が必要になります。

背中、お腹、太腿のどれかを用いるとのこと。私の場合はお腹と脚のエコーをしてみて、医師と相談の結果、太腿に決定!

洋梨体型なので上半身は細いけど、太腿の肉付きには自信がある。

そしてそして、その後乳輪乳頭の再建もできると聞いて霧がバァーっと晴れたような気持ちになりました。

未来に想いを馳せる。

入院前には、歯医者と美容院

イラスト=こほこ

入院まであと3週間くらい。準備を進めるよ。

入院・治療してから虫歯が見つかったら嫌なので久々にかかりつけの歯医者さんへ。

そしたら軽い虫歯を発見…。

(注)がん治療中は免疫力が低下する可能性があり、感染リスクが高いため、通常の歯科治療はおすすめされていません。

歯科衛生士さんに事情を話したら歯科医に伝えてくれ、その場ですぐに治療してくれました。感謝〜。

さらに美容院へ。

癖っ毛で硬く、広がりやすい髪質なので結んでいることが多い私。だけど、手術後はしばらく右腕があげられなくなるので、結ばなくてもまとまりやすいようにストレートパーマをかけてもらいました。

時間がなくて、行ったことのない美容院に飛び込んだけど「俺に任せろ」的な雰囲気でありがたかった。

左太腿の脂肪が、右胸になってくれる

イラスト=こほこ

手術3週間前に、再建のための造影CT撮影。帰りがけにまたもや胃がムキャムキャするが、慣れた。

その翌週にCTの画像を見せてもらいに形成外科へ。

かねてから太腿の脂肪の付き具合に興味があったので、断面図を見てとても納得…!

どうやっても下半身痩せしなかった脂肪の皆さん、よろしくですよ…。

先生から「この血管使えます」とコマ送りで見せてもらう。

そういえば形成初診のエコーのときも、「血管が…血管が…」と言われてたのを思い出しました。

とにかく血管がつながるのですね。

左太腿が右胸になってくれる。

たぶん大丈夫だけど、もしもうまくつながらなかったら右太腿からトライ。

それでもダメな場合も、ごくまれにあるらしいので、そのときは人工物での再建をするようお願いしました。

自家組織への強いこだわりもないけど、きっとつながるんだろう…。

左太腿がちょっと細くなる…。

右太腿から脂肪吸引してもらったらそっちも細くなるのかな…。

その後、入退院受付窓口へ。看護師さんから入院の説明を聞いてアレルギーについてお話して帰宅。

告知から手術までの2カ月。ずっと気が張っていた

病院の都合もあり、告知から入院・手術までは2カ月かかりました。

たちまち悪化するわけではない病気だと分かっちゃいるけど、治療が進まずもどかしい日々。

いろいろ考えてしまいがちですが、心配してもしなくても結果は同じ。

だったら、なるべくネガティブに考えすぎないようにしよう〜、と心がけていました。

仕事が忙しかったのも気が紛れてよかったです。

SNSはあまり見ていませんでしたが、同じく乳がんの術後しばらくして遊びに行ったり、また働いたりしている人の投稿を覗いて、勇気をもらっていました。

この間、家族に打ち明けるため帰郷したり、休職に備えて仕事の調整をしたり、術前の検査をこなしたり、再建方法の検討をしたり、入院グッズの準備をしたりと、やることは盛り沢山。

ずっと気が張っていたなと思いますが、ただ待っているだけよりはよかったのかもしれません。

事前にやってよかったことナンバーワンは歯の治療…と思いきや、髪にストレートパーマをかけたことでした。

術後はしばらく腕を上げることができず、髪も結べなくなったので、癖っ毛多毛な私としてはストレスを1つ回避できました。これがその後の快適な入院ライフにつながったのです…!

次回は入院生活の記録です。

*本記事はこほこさんの場合の体験記です。検査の流れや症状はケースによって異なります。医師の診断や指示に従いましょう。また、体に異変や違和感がある場合は受診をおすすめします。

【本記事はこほこさんのInstagramの投稿に加筆・編集を加えたものです】

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