illustration:斉藤ナミ

うー、寒いー。眠いー。低気圧で頭も体も重い〜。でも仕事は山積み〜。

みなさんはこんなとき、いつもどうやって回復していますか?

今回は、どうしてもやる気が出ないとき、メンタルが落ちたときの、私なりの回復の仕方を綴ってみたいと思う。

自分のダメっぷりに余計に落ち込む悪循環

寒い時期になると体調も崩れやすいのか、体が重くてだるいことが多い。ついつい仕事の手が止まり「あぁ、ちょっとだけぇ〜ん…」と、天使の皮を被った冬の悪魔「コタツ」でダラダラしてしまう。意思が弱すぎる。

正月に1年の抱負を掲げ、しばらくやる気まんまんだったからこそ「がんばらなきゃ……」が空回ってしまって余計にしんどい。

横になったままパソコンを手元に手繰り寄せ、原稿をなんとか書こうとするものの、どうにも頭が回らない。やることは山積み。もうすぐ子どもたちも帰ってくる。そして、部屋は汚い。

正月に立てた今年の抱負「1分1秒を大切に!」はどこ行ったんや…。焦りばかりがつのり、何もできず、自分のダメさにさらに落ち込む、という悪循環。(まずコタツをしまいなさい)

はぁ。ダメだ…。

こうなると、持病のこじらせ思考(自分なんて生きる価値のないゴミ)もやってきて、完全に自信喪失だ。

そんなとき、たまにやってしまうのが、買い物をして発散すること。「買ったんだから頑張ろう」と無理矢理に気持ちを切り替えていくという方法だ。でもこれはお金がいくらあっても足りないので、現実的には難しい。

「四十肩」になって筋トレを開始

そこで、私が1番オススメしたいのが、「筋トレ」だ。

筋トレと言っても痩せたいわけではなく、文字通り「筋肉をつけて体を鍛えたい」という気持ちでトレーニングをしている。

きっかけは2年ほど前。ある日突然、右腕が筋肉痛のような痛みで上がらなくなった。

37歳にして四十肩になってしまったのだ。

illustration:斉藤ナミ

四十肩って40代からじゃないの? 私まだ30代なんだけど!? 気のせいだよね?

なんて言ってても、くる日もくる日も私の右腕は、角度を90度以上に上げようとするたび、地獄の鬼に上腕の神経を握りしごかれるような痛みに悩まされるようになっていた。

腕を上げようとすると、「死」みたいな痛みが来る気配が肩からじわっと滲み出てくるので、もう動かすのすら怖くて右腕を使えない日々が何週間も続いた。

ようやく諦めて整形外科を受診し、「完全に四十肩ですね」との診断をもらった。

というわけで、人生で初めて自分の体に向き合うことになったのだ。姿勢が悪いこと、肩甲骨が固まっていることが原因と思われ、背中のストレッチを始めるようになった。

目に見えてスタイルが良くなった

そして1年間、本気で向き合った猫背や姿勢の改善と、上半身のストレッチやトレーニングを真面目にすることで少しずつ四十肩が治っていった。そこで得られた副産物が、トレーニングによって起きた全身の変化だ。

そう。四十肩を直そうとしたトレーニングで、ついでにスタイルが良くなったのだ!

なんと、下に垂れて完全に意気消沈し、そっぽ(外側)を向き、干し柿のようにやさぐれていた私の胸たちが、ちょっと上を向きだしているではありませんか!お、おまえたち…帰ってきたんか…!よーしよしよし。ゆっくりしておいき。

常に後傾していた骨盤が立ったことにより、ウエストも細くなり、お尻もちょっと上がっているではありませんか!クララ(骨盤)が立った!

「まじで…。本当に変わるんじゃん…!」

この「やれば変わる」という体験を先にしたことが大きかった。自分の力で、自分の体を良い方向に変えられたという成功体験が、自信をつけてくれたのだ。やるじゃん、私!

姿勢を正すためにしていたトレーニングだけだったけれど、他の部分にも興味が湧いてきた。

お尻がもっと上がったら?もっと二の腕がスッキリしたら?諸々の効果によって、ニットを着た時のシルエットが綺麗になったことが嬉しくて、もっと改善してみたくなった。

強くなれば、些細なことが気にならない

YouTubeで、お尻、お腹、背中、二の腕などのトレーニングを見ては隙間時間にちょこちょこトレーニングをするようになった。翌日に筋肉痛を感じると、「良い方向に肉体が変化している」ことをまざまざと実感できて嬉しくなる。

お風呂上がりや、着替えの際に、うっすら線が入り始めた腹筋に鏡で見とれるようになった頃には、もう筋トレの虜になっていた。

とうとうネットで「プロテイン」「ジム」「トレーニングウェア」を調べるようになった。      

日々の暮らしの中でも、電車で移動してる間、信号待ちをしている間、食器洗いをしてる間にでも、体幹を鍛えるトレーニングをしながら過ごしてみたり、食べ物に気を使うようになってきたりするようになってきた。

その際、頭の中で考えていることは、こうだ。

「私は今この動きをすることで、少し前の私よりも確実に強くなっている。もっと、もっと強く……!」

illustration:斉藤ナミ

だんだん、強くなりたくなってきているのだ。

トレーニングでこの肉体をもっと強靭に!もっと強く!動物として、生き物として、より強い個体になりたい、という気持ちが湧いてくる。

今の私は、そこらの人間よりもだいぶ強い(データはない)。

こうなると、些細な悩みなどが生まれても「まあいいか。俺つよいし。とりあえずあと腹筋30回やってもっと強くなろ」と思える。ものすごい効果である。

こうやって文字にしてみると、改めてこのセリフは全くわけがわからない理屈であることを自覚する。俺つよいし、ってなんだ。なんの解決にもなっていない。

ただ、実際に筋トレをするとセロトニンやドーパミンなどのホルモンが分泌され、メンタルが前向きになるという効果もあるらしい(データはネット上にきっとある)。

(編集部注:【参考】一般財団法人日本スポーツ推進機構

やればやるだけ必ず報われる

筋トレ…これは、非常に良いのではないだろうか?

財力を必要とする解消法よりも、断然健全だ。お金もかからないし、一瞬の高揚感ののち、虚無に戻ることもない。自己嫌悪でプラマイ、マイナスになることもない。幸せな気持ちがじわじわと続くし、ついでに体も美しくなり、若々しく健康でいられる。

努力すれば体は確実に変わる。やればやるだけ必ず報われるのが筋トレなのだ。

今まで冷ややかに見ていた、顔を隠して筋肉をアピールした写真を載せているマッチングアプリの男性たちの気持ちもちょっと分かるようになってきた。

「陽キャ」で「意識高め」の人の趣味としてよく見聞きする「筋トレ」を、私はしている!という精神的な安心感も半端ない。

これならいつインタビュアーに「落ちこんだ時とか、どうしてます?」と聞かれても、胸を張って「筋トレを…!」と答えられる。なんなら聞かれなくても積極的に語っていきたい。

私は、極めて健康な趣味、筋トレに励んでいます!清く、明るい人間です!

健全で、イメージも良い。

気持ちが前向きになる

こたつでクヨクヨしていても、せっかくだからこたつで足上げして内転筋を鍛えながらクヨクヨするかあ……と、太ももに刺激を与え始めると、いつの間にか「もっと強く…」と脳の細胞がすぐにバカになってくれる。

そして気づくと気持ちが前向きになっていて、肩のコリも体のコリもほぐれ、心も体も温かくなっているのだ。

さぁ〜て、こたつから出て原稿を書くぞ!と、なるのだ(早くこたつをしまいなさい)。

筋トレ万歳!本当にオススメです。

ちなみに、この記事を読んで、筋トレ初めてみよっかな…と思われている方にぜひオススメしたいのは、まずはお尻のトレーニングだ。

1日10分のトレーニングを、1週間も続ければ、すぐに変化が見える。変化を目で見ると、飽きっぽい性格の人でもやる気が継続しやすいです。

ぜひぜひ、一緒に強くなりましょう!

さぁ〜て、気持ちが前向きになって、体も若返ったし、さらに服が欲しくなっちゃうな★

あと、今度マッチングアプリで腹筋を見せてみようかな★ 

おしまい。

編集部注:メンタルの不調が続くときは、医療機関の受診をおすすめします。

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