抱えていたモヤモヤが共感を呼び、幅広い活動へ

「生理用品を軽減税率対象に!」オンライン署名キャンペーンをしています、谷口歩実です。

とある深夜に「やっぱり生理用品が軽減税率対象外なのはおかしい!」という強い思いがこみ上げた勢いで、署名活動を開始してから早1年が経ちました。

この1年間の活動を通じて100人以上の方と生理についてお話する機会に恵まれました。署名を立ち上げてすぐランドリーボックスに投稿した記事の時と思いは変わっていませんが、この1年間の活動についてと、お話したみなさんから新たに学んだことについて書きたいと思います。

署名を立ち上げて2カ月後に、大学の学食で出会った仲間と「#みんなの生理」という団体を立ち上げ、活動をしてきました。「生理はみんなのもの」という思いをそのまま団体名にして、今は私を含め5名で活動しています。

この1年間で「#みんなの生理」では主に3つの活動に注力してきました。

「生理用品を軽減税率対象に!」署名キャンペーン

1つ目は「生理用品を軽減税率対象に!」署名キャンペーンです。現時点で4万3千人を超える方にご賛同をいただいている当署名は、昨年10月に公明党の竹谷とし子女性委員会女性局長(参院議員)と矢倉克夫青年委員長(参院議員)に提出をしました。「生理の貧困」の問題についてご関心を寄せていただき、さまざまな政策において生理の視点が重要であること、そして生理は人権に関わる重要な問題であるということをご理解いただきました。

一方で、税率の変更はとてもハードルが高く、すぐに実現するのは困難を極めるということも教えていただきました。たとえ時間はかかっても、今後も諦めずに小さなステップを重ねながら、生理の経済的負担軽減に向けて活動をしていこうと思います。

生理について気軽に話せる場所づくり

2つ目は生理について話す場の創出です。活動をしていく中で、そもそも日常生活に生理について考える機会がほとんどなく、ほかの人が生理についてどう考えているかを知ることは滅多にないことが分かりました。

そこで、オンライン署名サイトChange.orgさんのお力も借りながら、Zoomを用いて「#みんなの生理 オンラインカフェ」を月に数回のペースで実施してきました。これまで「初潮」「生理用品」「教育と生理」「働くことと生理」「10代×生理」といったテーマで、生理の有無にかかわらず、さまざまな方と対話をしてきました。

生理はパーソナルなものでもあるため、普段はなかなか初対面の人と生理について話すことはないですが、ほかの人との対話の中で自分自身の生理と向き合い、付き合い方を見直したり理解が深まることを実感しました。

また、ご参加いただいた方から「生理について話す機会がないので楽しかったです!」という声を多くいただき、とても勇気づけられました。毎回新たな学びや発見があり、ご縁のあった皆さん一人ひとりに感謝の気持ちでいっぱいです。

生理のデータや情報の収集と発信

3つ目は生理に関する情報の収集と発信です。残念ながら日本にはまだ生理に関する情報が少ないです。例えば、イギリスでは10人に3人の女の子がコロナ下のロックダウンで生理用品を買えずにいるというデータがあったり、カナダでは34%の女性が生理用品を買うためにほかの何かを我慢しなければならない状況にあるといったデータがあります。

「#みんなの生理」ではWebアンケートを実施し、生理の経済的負担についての声を集めました。中には「生理用品がもったいないからトイレットペーパーを生理用品に巻いて節約している」といった声や、「お金を節約するために、身体に悪いと分かっていながら長時間同じ生理用品を使っている」といった声が寄せられました。

集まった声は然るべきところで発信していきたいと思っています。また、今後は諸外国のように生理に関する現状を数値化できるような調査も実施したいと思っています(一緒に調査を実施してくださる方を募集しています!)。

また、活動を通じてたくさんの生理アクティビストとのご縁もありました。皆さんが個々に持っている情報や知見を集め、生理に関する運動を全国で盛り上げていけるよう、Facebookグループ「生理に関する課題について考える会」を設立し、自由に意見や情報の交換ができる場を運営しています。

まだ設立したばかりですが、今後は生理の活動に関する情報のハブとして機能するようグループを発展させていきたいと思っています。

誰もがもっとも心地よく生理と向き合える環境づくりを

このように、1年間でさまざまなバックグラウンドを持つ人たちと生理についてお話をしてきましたが、その中で気付いたことは、「生理に正解はない」ということです。

恥ずかしながら、活動を始めてすぐの頃は「生理のあるべき姿」を考えて発信してしまっていたように思います。すべての人が生理についてオープンで、生理の日もいつも通り過ごせて、生理についてポジティブになれることが「正解」だと思っていたのです。

たしかに生理についてオープンに話せることは大事ですし、生理に左右されずにポジティブに日常生活を過ごせたらとても快適かもしれません。ですが、生理をプライベートなこととして考えたい人に対して、オープンになることを強要すれば嫌悪感を生んでしまいかねません。

生理痛で毎月苦しむ人に「いつも通り元気に!」といってもその人の問題は解決しませんし、どうしても生理のことが好きになれない人に対して、「もっとポジティブに!」といったところで、なにも意味がないからです。

生理の「正解」を定義し、それに当てはまらない多くの人を「不正解」として疎外するのでは活動の意味はありません。その人にとってもっとも心地よい生理との向き合い方こそが尊重されるべきだと考えています。

私たちは「正しい」生理のあり方を求めるのではなく、多様な選択肢を平等に選べることが大事だと思っています。

生理について話したいときに話せる選択肢、話さないという選択肢。多様な生理用品や避妊法の選択肢。生理の日は頑張らないという選択肢、いつも通り過ごす選択肢。生理を大好きでいる、あるいは心底嫌うという選択肢。どれもが等しく大事な選択肢であり、どのような社会・経済的な状況でもすべての生理のある人にその選択肢が保障される環境が理想的だと考えています。

私たちが目指す、「多様な選択肢がすべての生理のある人に保障されている社会」と今の日本の現状は程遠いです。一朝一夕にこの現状を変えることは難しいかもしれませんが、さまざまな方と力を合わせ、地道な活動を続けることで現状は変えられると信じています。

まだまだ勉強不足かつ力不足ですが、これからもみなさんと力を合わせながら、生理のある人にとって心地よい社会を目指して活動していきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ランドリーボックスでは、「生理の貧困」に関する国内外の情報を集めています。自治体や教育機関、企業、団体などが取り組んでいる施策、無料配布が行われている地域など情報をお持ちの方はぜひ、こちらのフォームにご記入ください。

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