閉経ーー。
もう生理がこなくなる。あの煩わしかったものから解放されるのはどんな気分なのだろうか。
寂しさを感じる人もいるし、第二の人生としてこれからが楽しみという人もいる。同時に更年期障害の辛さもあると聞く。
この連載では、閉経について経験者に語ってもらった。
第5回目は数年前に閉経した50代前半の方です。

リウマチのため薬の副作用で閉経に

私は49〜51歳にかけて閉経となりました。

40代後半頃から関節リウマチになりましたが、それに気づくことなく数年経過した後、突然発症して検査で告知を受け、治療を開始しました。

最初の数年は抗リウマチ薬で十分効果があり、いったんは寛解(症状が安定し進行しない状態)となりました。その当時は生理にはほとんど影響なく、規則的で量にも変化は見られませんでした。

しかし、仕事のストレスや多忙のためか、抗リウマチ薬では効かなくなってしまい、ついに副作用が強いながらリウマチの症状を抑える効果が高いとされる免疫抑制剤を使用することになりました。投与法は異なりますが、抗がん剤や中絶薬としても使用される薬です(リウマチの場合、使用量は少ない)。

飲み始めて3カ月ほどで生理がパッタリ止まり、1年後の健康診断でそのことを伝えると、閉経だと医師に告げられました。

自然ではなく、薬による閉経であったたため、少し残念に思うのと同時に、強い薬であるとわかり、怖さも感じました。

これも更年期障害? これまでの人生にはない太り方をした

私の場合、関節リウマチを発症した時期が更年期でした。生理の状態からではわからないホルモンバランスの大きな変化を迎えていたのかもしれません。

閉経前後に起きた変化として、体温が上がりやすく汗をかきやすいということがあげられます。またストレスの影響による自律神経の乱れなのか、目が覚めるのが早くなる(歳のせい!?)という現象がありました。

だいたい明け方の3〜4時、下手すると就寝して2時間後に目が覚めてしまうのは、ストレスによる自律神経と関係しているようで、ストレスが少なく精神状態が安定している時は朝までゆっくり睡眠をとることができます。

また、子どもの頃から毛深いのが悩みだったのに、眉毛や脇の下などのムダ毛が生えてこなくなりました。昔、眉を整えるために抜いていた部分は、今では生えてきません。

更年期の症状として一番怖かったのは、これまでの人生にはない太り方をしたことです。歳を重ねて皮下脂肪がつきやすくなるというレベルではなく、驚くほど太りました。

年13回の重かった生理痛から解放され身軽に

一方でポジティブな変化もあります。

私は初潮の時から生理痛が重く、量も多かったです。年13回と回数も多く、それこそしょっちゅう生理痛の日々を送っていたため、鎮痛薬が欠かせませんでした。生理の10日前から前兆のように子宮が伸縮する際の腹痛で目が覚め、いつも下着を汚さないか気にして暮らしていました。

閉経してからは、生理痛から解放されて身体も軽くなり、外出や仕事中に経血を気にする必要がなくなったため気分的にはラクになりました。

たくさんの生理用品を買い込むこともなくなり、ホッとしています。

女性が女性であるゆえのハンデ、呪縛から解き放たれる

閉経の良いところは、女性が女性であるがゆえのハンデ、呪縛から解き放たれることだと思います。生理痛が重かった人ほどこの自由な感覚を味わうのではないでしょうか。

それと同時に、女性ではなくなったような残念な思いもあるかもしれません。

私は証明写真を定期的に撮っていますが、閉経後の現在より生理痛に苦しんでいた過去の方が、心なしか可愛らしく女性っぽい印象があります。しかし、精神的には、現在の方が安定しているように思います。

私にとって生理はずっと重荷でした。正直、年2回くらいあればいいと思います。しかし、生理を失っていくときの体の変化や、失った後に訪れるであろう変化もまた怖く感じています。

Laundry Box

ランドリーボックスでは特集『#閉経エトセトラ』を始めました。
約40年、向き合ってきた生理。
そういえば、初潮はお祝いされるけど、なぜ閉経は祝わったり、お疲れ様と伝える機会がないんだろう。
欧米では、閉経や更年期を「change of life」と言うらしい。
人生の転機。
閉経を迎え、生理の煩わしさから解放されたと喜ぶ人もいれば、女性が終わるようで寂しいと感じる人もいる。
でも、ただ一言「お疲れさま」と自分と向き合うきっかけがあってもいい。
ありがとう、私のカラダ。これからもよろしくね。

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