とにかく耐えるしかないと思っていた

低用量ピル(以下ピル)を服用し始めて10カ月ほどが経ち、あまりに快適な日々なので、なぜもっと早く飲み始めなかったんだろうという気持ちが日増しに大きくなるばかりです。

私が悩まされていたのは、PMS生理痛。生理が来る1週間前くらいからイライラし始め、職場では些細なことにも苛立って同僚や部下への当たりが強くなってしまったり、彼氏に八つ当たりしてしまったり……そんな自分自身にも苛立ち、そのたびに自己嫌悪に陥っていました。

そして、生理前日や当日はとてつもない絶望感に襲われて死にたくなり、訳もなく泣き出したりしているうちに生理が来て「ああ、そうか」とケロッと泣き止むも束の間、今度はロキソニンが効くまで猛烈な生理痛に悶絶し、2日目までは数時間毎にロキソニンを切らさないように飲む、というのが毎月のルーティンでした。

そんな憂鬱な毎月の生理を、仕方ないものと思ってやり過ごしていました。しかし、33歳を過ぎたあたりから、生理中の排便時に強烈な腹部の痛みを感じるようになりました。ネットで検索したところ、どうやら子宮内膜症の症状のようでした。そこからピルについて調べまくり、自宅近くでピルを処方しているウィメンズクリニックに行きました。

クリニックでは、PMSもひどかったことなどを伝えるとあっさりと処方してもらえることになり、そのクリニックで取り扱っているピルの一覧表から選ぶことになりました。

ある程度おすすめされたピルのなかで、ホルモン量が一定の「一相性」と段階的に変化する「三相性」のどちらかを選ぶことに。違いを聞いても三相性のメリットがほとんど感じられず、安定しているほうが良さそうだということで一相性で偽薬付きの「ファボワール28」を選択。ピルとの相性も副作用も個人差があるため、飲んでみて合わなければ変更できるということでした。

ピル1シートとピルケース、説明書や注意書きなどをもらって診察終了。生理の初日にスタートして、3週間後の偽薬に入るか入らないかくらいのところでまた診察に来てくださいと案内されました。

私が服用しているのは「ファボワール錠28」というタイプのもの

副作用は想像を絶するつらさだった

クリニックでは、「飲み始めの典型的な副作用として吐き気などがありますが、1カ月もすれば収まります。あまりに酷いようでしたら連絡してください」と説明を受けました。

生理初日、さっそくピルを服用。吐き気などはありませんでしたが、いつもに増して生理痛が酷いのでロキソニンを飲むも、まったく効かない……!あまりの激痛に耐えられず追加で飲むも、ほとんど痛みが緩和されません。

普段の生理痛と比べものにならないほどの痛みで、夜もほとんど眠れないほどでしたが、いつものように最初の2日だけだ!と自分に言い聞かせて我慢していました。しかし、恐ろしいことにこれが5日ほど続き、私の精神力も限界に到達。いよいよクリニックに連絡して飲むのを中断しよう、と思った矢先に痛みがようやく消えました。

その後、生理は普段と同様に6〜7日ほどで終わり、ピルの服用を続けていました。痛みはなくなったものの、今度は強烈な気分の落ち込みが始まりました。

飲み始めの強烈な体験で心身ともに消耗したせいか、とにかくブルーでした。気分が落ち込んで、人とは話したくない、休みの日も誰とも会いたくない、なにもしたくない、なにも楽しくない……という「うつ状態」に。それまでは週に2〜3日はお酒を飲みに出かけていましたが、そんな気は一切おこらず、引きこもって一人過ごす日々が1カ月ほど続きました。

1カ月を過ぎたあたりから気分の落ち込み具合はマシになりましたが、服用前の状態に戻るには3カ月近くかかったように思います。

乗り越えた先には平穏な日々が待っていた

飲み始めの1カ月は非常につらかったのですが、最初の休薬期間の消退出血でピルの効果を実感。ほんのりとした鈍痛にも似た腰の重さはあるものの、痛みとしてはノーカウントレベルです。生理っぽいものが来ますが、量も少ないし痛み止めもいらない。感動です。

気分の落ち込みもすっかりなくなった頃からは、とにかく快適な日々です。ピルの服用開始と同時にタバコをやめたせいか、単純にピルのおかげか、肌の調子も良くて冬の間もカサカサ知らず。その一方、お酒は少し弱くなり、性欲も減退しましたが、支障のない範囲です。

生理痛からもPMSからも解放されると、以前のようにイライラすることが圧倒的に減って心にゆとりができ、精神的にかなり安定しました。これまでいかに余計なバイオリズムのせいで仕事にもプライベートにも支障をきたしていたことか。しかも子宮内膜症予防にもなることを考えると、なぜもっと早く飲み始めなかったのだろうと、これまで生理に振り回されていた自分がバカバカしく思えるレベルです。

当然、副作用には個人差がありますし、合う合わないがあると思います。しかも毎日、同じ時間に服用するという面倒くささもありますので、なにをメリット、デメリットと感じるかは人それぞれです。PMSや生理痛で悩んでいる人は一度は試してみると良いかもしれません。

*あくまでも個人的な見解です。

【お詫びと訂正】
一部、記事内の記載に誤りがあり専門医に確認のうえ文言を修正しました。
ピルを服用することで、排卵を抑えることはできますが、卵子数の減少を防ぐことはできません。

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