高度異形成は子宮頸がんに発展する前の状態を指します。高度異形成の概要や、子宮頸がん検診、高度異形成の治療法について説明します。

高度異形成の症状や原因

子宮頸がんになる前に「細胞の異形成」という状態があり、軽度異形成、中度異形成、高度異形成と3つのステージがあります。

高度異形成の主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染だといわれています。HPVは性交渉により男女ともに感染しますが、多くの方はHPVに感染したとしても免疫機能が働いて、身体から排除されることがほとんどです。

しかし、一部の方がHPVに感染している状態が長期間続くことによって、異形成になるといわれています。

異形成の状態では、おりものや性器出血などの異常や痛みがないため、検診や検査を受けないと発見が難しいです。軽度~中度の場合は自然治癒することもありますが、高度異形成の場合は治療が必要です。

高度異形成の治療法

高度異形成と診断された場合に有効な治療法は手術です。手術には以下のような方法があります。

1.円錐切除術

円錐切除術は子宮頸部の一部を円錐状に切除する方法です。病変部を広範囲に切除するため、がんの広がりを調べることができます。

しかし、がんが進行していて、血管やリンパ管などに浸潤している状態の場合、根治するための手術(子宮全摘術など)が別途必要です。また、切除することで子宮頸部が短くなるため、妊娠した際に切迫早産や流産になる可能性が少し高くなります。

2.レーザー蒸散術

レーザー蒸散術は、子宮頸部にレーザーをあてて病変部を焼く治療法で、20分ほどで処置が終わります。子宮頸部を切除しないため子宮頸部の長さが維持でき、妊娠した際の切迫早産や流産のリスクを抑えられますが、再発のリスクがあり、通院でのフォローアップが長期間必要となります。

円錐切除術やレーザー蒸散術後は、治療後1カ月程度は水っぽいおりものが続きます。その間性行為は控えてください。

3.子宮全摘手術

高齢の女性や閉経を迎えた女性の場合、子宮の摘出手術を行うこともあります。子宮を摘出するため、病変部の取り残しや再発の可能性が極めて低いです。一方、妊娠や出産ができなくなります。

高度異形成に早く気づくには、子宮頸がん検診を受けよう

異形成は、おりものや性器出血などの症状がないため、定期的に子宮がん検診を受診して確認することが重要です。

異形成が子宮頸がんに発展するには5~10年程度かかるといわれています。そのため、一度子宮頸がん検診を受けたら大丈夫なわけではなく、定期的な検査が重要です。

子宮頸がん検診の内容

20歳から69歳の女性は、2年に1回の頻度で、子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。

検診の内容は、子宮頸部の細胞診です。具体的には、子宮頸部をブラシなどでこすって細胞を集めて、顕微鏡で検査します。問診では、不正出血の有無、妊娠および分娩歴、月経の症状、過去の検診受診歴などを確認します。

もし、検査の結果が「要精密検査」だった場合は、必ず婦人科で精密検査を受けてください。

住民健診では自治体が費用の多くを補助しているので、安く受けられることが多いです。検診の対象年齢や検診場所などは、お住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。

監修者プロフィール

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医

柴田綾子

2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。LINEボット「妊産婦さん向けの風邪薬ボット」も運営中。https://twitter.com/ayako700

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