生理(月経)とは、妊娠にそなえて厚くなった子宮内膜を体内から出して子宮をキレイにするための現象です。

女性は、卵巣の中に「卵胞」のもと(原始卵胞)を約200万個持って生まれてきます。そしてカラダが成熟し妊娠可能な状態になると、女性ホルモンの働きにより一定のサイクルで、「卵胞」が排出されるようになります。これが「排卵」です。

妊娠時に赤ちゃんを育てる部屋にあたるのが子宮です。

排卵がおこると、子宮の内側にある子宮内膜が厚くなることで、受精卵を受け止める準備を始めます。生理前になると子宮内膜は厚さ約1cmほどまでに厚くなりますが、妊娠しなかった場合、新しい内膜がつくられやすいように古い内膜はこわされ、溶けて血液といっしょにはがれ落ちます。これが生理(月経)です。

子宮内膜がこわされるときには、血液のかたまりを溶かす酵素が分泌されます。子宮内膜が厚くつくられて出血量が多いときは、その酵素が足りず、内膜の一部が凝固したまま排出されます。生理の時に血の塊(かたまり)が出てくる方は、過多月経と呼ばれ貧血になりやすいので注意が必要です。

生理のリズムは心身のストレスが影響

生理に関わる主な器官は、脳と卵巣と子宮の3つ。このうち脳と卵巣がホルモンによって情報伝達しながら機能します。脳にある視床下部から司令を受けて実際に行動するのが、視床下部のすぐ下にある下垂体です。

卵巣は、下垂体からの司令によって2種類の女性ホルモン=「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」を分泌し、女性のからだ特有のリズムを作り出します。

生理のリズムは、いろいろなことに影響を受けています。疲労やストレスで生理がバラバラになったり、過度のダイエットで女性ホルモンのバランスが崩れて生理が止まってしまうこともあります。生理のリズムがバラバラな方、生理が3カ月きていない方は原因を調べるために、ぜひ産婦人科へご相談ください。

ちなみに、月経周期により卵胞は体内から排出され、減っていきます。原始卵胞の数が1,000個程度になると卵胞が育たなくなるため、排卵しにくくなり生理も来なくなります。これが「閉経」です。

■監修者プロフィール
柴田綾子(しばた あやこ)
淀川キリスト教病院 産婦人科専門医

2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。
著者:女性の救急外来 ただいま診断中!(中外医学社,2017)、総合医療雑誌J-COSMO編集委員LINEボット「妊産婦さん向けの風邪薬ボット」 運営中。 https://twitter.com/ayako700

■参考資料

日本産科婦人科学会 生理、つらくない?

日本産婦人科医会  月経について教えてください

 

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