【お悩み】
更年期なのか、冬なのに暑くなり、汗も大量に出てしまいます。前触れなく出てしまうので、仕事や子どもの大事なイベントなどで症状が出るのではと不安になります。
身体に「火がついてしまっている状態」。原因は?
これもとても多い相談です。一般的には「ホットフラッシュ」と呼ばれる、50歳前後の女性におこりやすい更年期障害のひとつ。
ホットフラッシュは一般に、突然の「のぼせ」「ほてり」「発汗」が、周囲の環境に関係なくあらわれることです。
冬の寒い日でも、急に顔が熱くなったり、ほてる、大量の汗がでる、汗が止まらない…。このようなホットフラッシュ症状は比較的多くみられます。
中医学では、このようなホットフラッシュのような症状を『化火(かか)』といい、さまざまな要因によって身体に「火がついてしまった」状態を表しています。
中医学的に見るホットフラッシュの原因は、大きく分けると、以下2つが考えられます。
- 加齢に伴う潤い不足でのぼせやすい『腎陰不足』によるホットフラッシュ
- ストレスが多くのぼせやすい『気滞、気逆』によるホットフラッシュ
それでは、それぞれの説明と対策を見ていきましょう。
1. 潤い不足のホットフラッシュ
閉経が近づくと、女性ホルモンの分泌が減って月経のリズムも乱れやすくなります。
中医学では、加齢とともにあらわれるホルモンバランスの乱れや精力の減退などの症状を「腎虚」といいます。
特に潤い不足の状態を「腎陰虚」といい、身体に熱がこもりやすく、ホットフラッシュやのぼせの症状が出やすくなります。
≪潤い不足で見られる症状≫
- 手のひらや足の裏が熱い
- のぼせ
- イライラしやすい
- 不眠
- 寝汗
- 口や喉の渇き
- 肌や髪、目の乾燥
- 便秘
対策
食養生:すっぽん、鴨肉、アワビ、豚肉、はまぐり、百合根、梨、白きくらげ、豆腐、山芋、オクラ、黒ゴマ、牡蠣などの潤い食材を摂る。
養生法
- 潤いを生む睡眠をなによりも大切に
- 香辛料や脂っこい物、味付けの濃い物は控えめに
- サウナやホットヨガ、半身浴、岩盤浴などで汗をかき過ぎない
- イライラも身体の余分な熱を生む原因に。なるべく日々を楽しく過ごすよう意識しましょう
2. ストレス過多のホットフラッシュ
女性ホルモンに影響されるのが、自律神経のバランスです。
中医学では加齢に伴ってあらわれるイライラや落ち込み、不安感、焦燥感などを肝気の乱れと考え、過度のストレスによって気が頭の方に上ったり、気の流れが滞る気滞が起こる事でホットフラッシュの原因になると考えます。
≪ストレス過多で見られる症状≫
- 怒りっぽく、いつもイライラしている
- げっぷ、おなら、ため息が多い
- 下痢や便秘を繰り返す
- お腹や胸、頭が張るように痛い
- のどが詰まったような感じ(梅核気)がある
- 寝つきが悪く、途中で目が覚める
- 緊張やストレスがかかると体調が悪くなる
対策
食養生:気の巡りをよくするみかんやレモンなど柑橘系、パクチーやパセリなど香草類、ミントやカモミールなどハーブ、紫蘇、セロリ、梅干し、レモンティー、ジャスミンティーなど香りのいい食材を摂る。
養生法
- 予定は詰めすぎず、余裕をもって生活する
- 身体を適度に動かす
- 友達と話したり、歌を歌ったり、ストレスを溜め込まずに外に発散する
中医学の考え方に、『女性は7の倍数で身体に変化があらわれる』とあります。
女性にとって49歳前後は、女性ホルモンもだんだんと少なくなり、月経も乱れがちになります。
また、ホットフラッシュなどこれまで感じなかった不調を感じやすく、身体の節目といえます。
不調が出る前に対策をうつことが大切。
不調が出て、あまりにもひどい場合は、医療機関を受診しましょう。
まだ更年期障害の症状を感じていない人も日々を楽しく、睡眠を大切にして、伸び伸びとストレスを溜めないように過ごすようにしましょうね。
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