【お悩み】

最近尿もれをすることがあり、ショックです。

くしゃみや、重い荷物を持とうとしたときに漏れてしまいます。普段の生活でできる予防や改善策はありますか?

運動量が減って筋肉が低下し、尿もれが悪化する

健康な女性の3人から4人に1人、また40歳以上の女性では約半数の人が尿漏れを経験しているとも言われています。

尿もれは特に中高年以降の女性の人にとっては、他人事とは言い切れないほどの割合で悩まされている症状の1つです。

ご相談者のようにくしゃみや重い荷物を持とうとしたとき笑ったときなどお腹に力が入るとき、旅行先で長時間バスに乗っているときなどに「あっ」と思うことが少なくありません。

尿もれはなかなか人には言えないので、尿もれパッドなどの対処で終わっている人がほとんどではないでしょうか。

尿もれは男女ともに尿道を締める筋肉や骨盤底筋などの筋力の低下が大きな原因の1つです。

コロナ禍で運動量が減り、筋力が低下していることも頻尿や尿もれを悪化させると言われています。

腎が足りないと老化が進んでいく

中医学で頻尿や尿漏れは「腎虚(じんきょ)」と考えられています。

東洋医学では

「女性は7の倍数」「男性は8の倍数」で体調が変化する

と言われるように、女性では28歳、男性では32歳を境に、次第に腎虚は進んでいきます。

このように腎虚は加齢とともに誰にでも起こりますが、冷えや過度な疲労、ストレス、慢性的な睡眠不足、運動不足などがあると、腎虚はどんどん進んでいきます。

腎虚になると排泄能力、骨や脳、耳、生殖能力、髪、ホルモンバランスなどがうまく働かなくなり、「排尿・排便の異常」をはじめ、「骨の異常や腰痛、思考力の低下や物忘れ、耳鳴りや聴力低下、生殖能力の低下、白髪、脱毛」などいわゆる老化現象が見られやすくなります。

足りない腎を補う食材と生活習慣

尿漏れを防ぐためにはこの腎を元気にする『補腎(ほじん)』が大切になってきます。

まずはおすすめの補腎食材をご紹介します。

・黒い食材

黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、牡蠣、シジミ、海藻類、ヒジキなど

写真=本人提供

・鹹味(塩辛い味)

豚肉、タコ、イカ、あさり、アワビ、カニ、昆布、海苔、味噌など

・木の実類

くるみ、松の実、クコの実、アーモンドなど

・体を温める食物

エビ、ニラ、椎茸、ラム肉、シナモン、紅茶など

写真=本人提供

これらの食物バランスよくとるようにしましょう。 

次に補腎習慣をご紹介します。

・夜更かしをせず、その日のうちに寝る

・冷えは腎の大敵。夏でも体を冷やさないようにする

・腹式呼吸や深呼吸で体の下にある腎まで酸素をしっかり届ける

・ぬるめのお風呂(約40℃)につかって、リラックス

・過度な疲れやストレスは溜めないように、こまめに休息とストレス発散を心掛ける

これらを意識して、日々生活してみるといいですよ。

補腎におすすめのツボ

・湧泉(ゆうせん)

写真=本人提供

足の中央より少し前、足の指を曲げたときに最もへこむ場所です

足の裏なので、少し押しにくいですが、呼吸に合わせて吐くときに両手の親指でグーっと押し込んで、吸うときにゆっくり離していきましょう。

指で押すのがしんどい人はゴルフボールやテニスボールでコロコロしたり、青竹踏みなどで刺激するのもおすすめです。

・太谿(たいけい)

写真=本人提供

「内くるぶしとアキレス腱の間にあります。

人差し指と親指でアキレス腱を「つまむ」ように刺激すると気持ちいいです。

また、お灸をするにもおすすめです。

どちらも腎の経絡にあるツボなので、刺激して、腎を元気にしてあげましょう。

骨盤低筋トレーニングもコツコツと

また、骨盤底筋の衰えが原因になることも多いので、「骨盤底筋トレーニング」も日々コツコツ続けましょう。

仰向けに寝て、足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げて立て、からだをリラックスさせます。

その姿勢のまま5秒程度、肛門、尿道、膣全体を締め、陰部全体をじわじわっと引き上げる感じで締めます。

その後は、からだをリラックスさせます。

「締める」「力を抜く」を1セットで1分間。これを10回(10分間)繰り返し行ってみましょう。

はじめはしんどければ2〜3回からでもいいですよ。

最近は、骨盤底筋を鍛えるアイテムもあります。 ご自分の体にあったトレーニングからはじめてみましょう。

補腎は尿もれだけでなく、老化予防にもつながります。

歳を重ねても若々しく、元気に過ごすためにも日々、補腎は心掛けるようにしてくださいね。

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