【お悩み】
30代ですが、歩くだけで大量の汗が出て止まりません。また、汗が乾いた後のにおいも気になります。
汗の量を抑えられたり、少しでもにおいを軽減したりする方法はありますか?
「汗かきな人」によく見られる症状は?
汗のお悩みは、夏の時期に特に増えるご相談の1つです。
汗かきな人に多い症状
・運動後のように常に肌が濡れている
・服に汗じみができてしまう
・人前で緊張すると顔から汗が止まらない
・顔や頭の汗でメイクができない
・寝汗がひどく、一晩で何回も着替える
・手汗で握手ができない
このような症状が頻繁にあり、日常生活や対人関係にも支障が出る場合は一般的に「多汗症」と呼ばれ、夏場や気温が高い日だけではなく、1年を通して不快に汗が流れ出る症状です。
特に汗腺が集中している掌や足底、脇の下、頭部からの多汗症が多く、主に緊張したときなど、精神的な原因で症状が出やすくなります。
西洋医学では、多汗症は主に交感神経が過敏になっていることが原因と考えますが、詳しくは解明されていません。
中医学では今回のご相談者の汗かき体質をどのように考えるのか、見ていきましょう。
日中の汗と睡眠中の汗の2つに分けられる
中医学では、汗かき体質の症状を「汗証(かんしょう)」と言います。
汗証でもっとも多く見られるのは、気温に関わらず日中にダラダラ出る「自汗(じかん)」。
睡眠中に汗が出て、目が覚めると汗が止まる寝汗「盗汗(とうかん)」。
この2種類に分けて考えます。
日中の汗は「気(エネルギー)」不足が原因
今回のご相談は、日中における大量の汗なので「自汗」と捉えます。
自汗の大きな原因に元気不足の『気虚(ききょ)』があるとされています。
「気」(エネルギー)には、固摂(こせつ)作用という、体内の水分が体表から漏れ出さないよう発汗をコントロールする働きがあります。
気が不足していると、こうした働きが低下して汗の量をうまく調節できず、ダラダラと必要以上に汗をかいてしまいます。
このタイプの汗はサラサラしていることが特徴です。
汗をかくと体内の「気」も同時に消耗してしまうため、長引くとさらに気が不足して、症状が重くなってしまう…という悪循環に陥ります。
「補気」ができる食材を摂り、深呼吸をする
では、気を補う養生をご紹介していきます。
気を補うには「補気」の力がある食材を摂るようにしましょう。
うるち米、もち米、玄米などの穀類。じゃがいも、さつまいも、やまいもなどのイモ類やカボチャ。枝豆、えんどう豆、グリーンピース、インゲン豆、そら豆などの豆類。そのほかトウモロコシ、椎茸や舞茸など自然の甘味がある、黄色い食材が良いとされています。
また、気を補うには「呼吸」もとても大切です。
マスク生活では、呼吸が浅くなりがちなので、意識して深呼吸をするようにしましょう。
思い出したときだけでもいいですし、朝起きたときに2〜3回でもいいです。
そのほか、運動や睡眠などの基本的な生活習慣も見直してみましょう。
毎日暑いので、寝苦しかったり、つい運動不足になりがちだと思います。自分が寝やすいときに寝て睡眠をとる。朝少し早めに散歩をして運動をする。このように、できる範囲でなるべく睡眠や運動を生活に取り入れましょう。
におい対策には、食生活の見直しを
現代人は冷房の環境下にいる人が多く、汗をかくことが少ない。その場合、べたべたした汗が多くなります。
本来、適切な量の汗が定期的に出ていれば、汗腺がきちんと機能するのでサラッとしていて無臭の汗になります。
しかし、汗が多く出るのににおいが強い場合、中医学的には「湿熱」という余分な水分や熱が溜まっている状態かも知れません。
その場合はまず食生活を見直しましょう。
「肥甘厚味(ひかんこうみ)」と言われる脂っこい、甘い、濃い味付けのような食事が多かったり、お酒が多かったりしませんか?
このような食習慣をしていると体に余分な水分や熱がこもり、汗のにおいに繋がりやすくなります。
基本は「温かくて、あっさりした味の食事」を意識して、よく噛んで食べるようにしましょうね。
汗対策におすすめのツボ
汗対策におすすめのツボは「大包(だいほう)」と「屋翳(おくえい)」の2つです。
「大包」は脇の下の付け根から3cmくらい下にあるツボで、胸を覆うように腕を組んだときに指があたる部分です。
「屋翳」は乳頭(乳首)の3〜5cmほど上にあります。
イラストのように、胸とは反対の親指を屋翳にあて、手をクロスしてギューッと押さえると、どちらのツボも刺激することができます。
これらのツボは舞妓さんが汗をかかないように帯で圧迫しているツボとしても有名です。
汗は見た目に出るので気になる人も多いご相談の1つです。
元気を補う食事や養生、運動、睡眠など規則正しい生活を心掛けて、ストレスをこまめに発散して過ごしましょうね!
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