【お悩み】
50歳です。最近以前にもまして疲れやすく、気力もでてきません。更年期かなと感じています。
ちょっとしたことでイライラしたり不安になったり、心と体が落ち着かない状態で、自分でも嫌になります。おすすめの養生を教えてください。
「気」と「血」が足りないと…
前回お伝えした「ホットフラッシュ」以外にも更年期障害にはさまざまな症状が出ます。
人それぞれの体質があるように、更年期障害で見られる症状もひとりひとり異なります。
今回のご相談者さんは体の「気」と「血」の両方が不足した「気血両虚タイプ」です。
気血(きけつ)とは、肉体的な活動と精神・意識活動の源となる基本物質のこと。
一般的に更年期(閉経前後)は腎が弱り、腎に貯蔵されている「腎精」も不足しがちになるため、女性ホルモンなどが減少し生殖機能が減退するほか、体内の陰陽のバランスが乱れやすくなると言われます。
メンタルを支える「心」、消化器系の「脾」の乱れ
衰えるのは腎だけではありません。食べ物を消化吸収する働きをする消化器系の「脾」やメンタルを安定させる「心」なども徐々に衰えてきます。
「心(しん)は神(しん)をつかさどる」といって、心の気血が不足すると、体が弱るだけでなく、気持ちをしっかり持てなくなってしまいます。
またひどくなると、不眠や不安感、動悸などの症状も見られるようになります。
したがってこのタイプの人は「脾」と「心」を元気にして、気と血を補うことが大切になってきます。
心脾気血両虚タイプによく見られる症状
・心身ともに疲れやすい
・脾(消化器系)が弱く、食欲減退、お腹が緩い
・クヨクヨ思い悩みがち、心配性、不安感、自責感が強い
・打った覚えのないあざができやすい
・眠りが浅く夢が多い、不眠
・動悸、物忘れ
・唇や爪の色が薄くツヤが無い
・顔色が淡白~くすんだ黄色、
・経血の色は淡い
・不正出血しやすい
では、具体的な養生法を見ていきましょう。
【脾の養生法】
①肥甘厚味(ひかんこうみ)といった脂っこい・甘い・味付けの濃い飲食物は控えめに
②生冷飲食、刺激物、暴飲暴食を避ける
③無理して3食を食べようとせず、自分の胃腸の調子に合わせた食事量を心がける
④最初の一口だけでも30回噛む。「よく噛むこと」も大事
⑤腹8分目を意識する
【脾の食養生】
かぼちゃやさつまいも、トウモロコシ、にんじん、山芋、栗、豆類、穀類、きのこ類など、脾を元気にする黄色い物や自然の甘味の食材を摂る。
【心の養生法】
①ヨガやストレッチ、ランニングなどを取り入れて適度に体を動かす
②時間には余裕をもって、予定を詰め込みすぎない
③コミュニケーションが苦ではない人は、友達や家族と会話して、楽しい時間を作る
④登山や散歩など自然に触れる
⑤ストレスを溜め過ぎず、のびのび過ごす
【心の食養生】
小麦、ゆり根、人参、ハツ、卵、ホットミルク、豆乳など
前回のホットフラッシュでもお伝えしたように中医学の考え方に、『女性は7の倍数でからだに変化があらわれる』とあります。
女性にとって49歳前後は、女性ホルモンもだんだんと少なくなり、生理も乱れがちになります。
今まで感じなかったダルさや倦怠感、不安感、イライラなどの不調を感じやすく、心身共になんとなく不調の期間が続き、しんどい時期になります。
不調が出る前に早めの対策をうつことが大切です。
まだ更年期障害のような症状を感じていない人も日々、楽しく過ごし、睡眠を大切に、ストレスを少なめに伸び伸び過ごすようにしましょうね!
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