【お悩み】

40代女性ですが、便秘がちで悩んでいます。便が何日も出ないことがほとんどで、出たとしてもコロコロと硬いものです。食物繊維も摂っているつもりなのですが、仕事のストレスも原因なのかなと思います。日々の食事などの生活でできることはありますか?

便秘で悩む女性は男性の2倍

自覚をしていない潜在的な便秘の人も合わせると約2000万人、つまり日本人の約2割近い人が便秘に悩んでいると言われます。

便秘を自覚している女性は男性の約2倍近くいるとわかっています。

中医学の古典の言葉に「一日一便す、乃ち常度なり」という言葉があるように、健康を保つにはできるだけ毎日排便の習慣があることが大切であると考えます。

ストレスが原因の便秘は「気滞」タイプ

東洋医学でみると便秘も多くの原因にわけて考えられます。

ご相談者の場合は大きいストレスが原因となって、気の巡りが滞る「気滞(きたい)」と呼ばれる状態になってしまっています。

本来、体内の「気」がスムーズに流れていると、胃腸も活発に働きます。しかし臓腑をコントロールする気がストレスにより滞り、乱されると、胃腸の動きや機能に不具合が生じ、スムーズに排便できなくなります。その結果、便秘になってしまいます。

旅行に行くなど環境が変わったり、試験やプレゼンなど緊張する場面や強いストレスがかかると便秘になる人がこのタイプにあたります。

このタイプの人は便秘だけではなく、下痢をしたり、下痢や便秘を繰り返すなどが見られる場合もあります。

下記に当てはまる項目が多いほど、気が滞っている可能性が高いです。

□ 数日間、便が出ない
□便意は催すが便が出ない、出てもコロコロ便
□お腹や胸、わき腹が張る
□ゲップやため息、おならが多い
□抑うつ感がある
□ストレスが多い
□生理前に胸が張る
□PMSがひどい
□悪心(おしん)・嘔吐がある
□のどのつまり感がある

気滞の人におすすめの養生方法

食養生

まずは気の巡りを改善し、ストレスを軽減する食材を摂りましょう。

紫蘇、らっきょう、かぼす、金柑、グレープフルーツ、ミカンなどの柑橘系、ジャスミン茶、ミントティーなどのハーブティーがおすすめです。

写真=本人提供

次に便通を改善する食材も摂ります。

はちみつ、白ごま、白菜、モロヘイヤ、アボカド、えのき、しめじ、ごま油、菜種油などの油もの、食用のひまわりの種(サンフラワーシード)などがおすすめです。

生活養生

  • ストレスは溜まるもの。普段からこまめなストレス発散を心掛けましょう
  • ストレッチやヨガ、散歩などで気持ちよく体も腸も活発に
  • 髪のブラッシングによる頭皮マッサージをする
  • 太ももを揉んで気を全身に巡らせる
  • 身体の潤いを保つためにしっかり睡眠をとる
  • 食事を抜き過ぎない。あっさりした朝食をよく噛んで食べる
  • 仲の良い友達や家族、恋人などと楽しくおしゃべりをする
  • 朝食後は便意がなくてもトイレに行き、身体に排便のリズムを作る

無理をするとストレスにつながるので、まずは日常でできる範囲から実践していきましょう。

ツボ押し養生

天枢(てんすう)

イラスト=本人提供

おへその両脇にあり、3本そろえた指の幅分、外側のところにある天枢は便秘におすすめのツボ。

人差し指と中指、薬指を添えて、左右両方のツボを同時に3回押します。お腹が軽く凹む程度の力が目安です。

さらにこのツボを中心に「の」の字を描くようにさすったり、軽く押すのもおすすめです。

このほかにも「合谷(ごうこく)」のツボもおすすめです。

イラスト=本人提供

親指と人差し指の骨の付け根が合わさった、V字になったくぼみにあるツボ。

ストレスが溜まったり、緊張しているときにここを押すとズーンとした痛気持ちよさがあると思います。

ズンとした痛気持ちよさを感じるまで息を吐きながら押し、ゆっくり息を吸いながら離す。このセットを5回~10回程度、体が少しスッキリするまで押してみてください。

ストレスが多いと自律神経と関係の深い便通はすぐに影響を受けます。できるだけ日々のストレスは溜め過ぎず、便意もガマンし過ぎずに、排便する習慣をしっかり身につけましょう。

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