
ライターの池野花です。
私は「CafuneBooks(カフネブックス)」という小さな本屋の店主もしている。本屋を始めた理由は、本を媒介にして、人と交流する場を作りたいという想いから。
今回「#お家で読みたいワタシの本」というテーマで、私が選んだのは『心がバテない食薬習慣』という本。

新型ウイルスの流行や生活環境の大きな変化に、最近、心身の疲れを感じている人は多いかもしれない。
この本では、薬剤師であり漢方カウンセラーでもある著者の大久保愛さんが、食べるとからだにいい食材、取り入れるとよい生活習慣を解説している。
この本は、月/週ごとにおすすめの食材が紹介されているから、いつも手元に置いておきたくなる。
「今週は何を食べるといいのかな」と、食材のガイドブックのような感覚で手を伸ばす。
1週間ごとに見開きで情報が載っていて、読みやすいのがポイント。
ちなみに、春は「肝血虚」によるイライラやムカつきが起きやすいのだとか。おすすめの食材はサケと香味野菜。イライラしたときは、ノートや手帳の片隅にイラストを描くといいそう。
こんな風に、自分の身体に起こる変化に敏感になれる本だ。
せっかくの春なのに、なかなか思うように動けない日々だが、自分の身体の声にはちゃんと耳を傾けたいなと思う。
本屋店主でもある私は、ついつい家に積読本をためこみがち。でも、手元に残す本は読んだ本の2割くらいにまで整理する。この本は、かなり厳選している中の一冊だ。
読んだ本を記録する。私の新習慣

最近、「読書ノート」をつけ始めた。
読書ノートとは、読んだ本を記録するノートのこと。要点や感想、覚えておきたいポイントをメモしていく。スマホのアプリやWebサービスもあるが、私の場合はノートに手書きすることにした。
本を読んでいると、仕事のアイデアや、誰かに伝えたいことがフッと浮かんでくることがある。
そのままにしていると、あっという間にどこかにいってしまうが、ノートに書くことで閃きをとっておけるし、すぐに過去のものをパラパラとめくれるのもいい。
見開きページの左には、読んだ本の内容を図解したり、印象的な言葉を書き出したりしていく。
ページの右側には、本を読みながら思い浮かんだ考え、自分の仕事や生活へのヒント、友人にシェアしたいことなどを書き留める。
そして、読書ノートをつけ始めた一番の動機は、日々コツコツと読書をしたかったから。
本屋をはじめるくらいなので本好きではあるが、仕事や用事でバタバタとしていると、あっという間に1日が終わってしまう。
読む本のジャンルはさまざまだが、1日1冊を1時間前後で読み切ることを目標にしているので、新書、エッセイ、ビジネス書、実用書など読みやすいものをチョイスしている。
たまに1日で読み切れない場合は、数日かけて読み切ることもある。
読書ノートをSNSに投稿するようにしたら、思わぬコミュニケーションが生まれた

飽きっぽい私は、読書ノートを習慣づけるモチベーションになるかなという、よこしまな想いから、読書ノートと本の写真をSNSに投稿することにした。
SNSに投稿し始めて意外だったのは、投稿する本の種類によってコメントをくれる人が全然違うこと。なかには、初めてコメントをくれる友人もいた。
本という共通の話題に対して、新たなコミュニケーションが生まれるのは楽しいな。そう思った。投稿する度に、今日はどんな人が反応してくれるかなと、ちょっと楽しみになる(もちろん反応が薄い日もある)。
「本を通じて、人と交流する場を作りたい」。
本屋をはじめる理由になったその想いが、「読書ノート」をSNSに投稿したことによって、またひとつ叶えられたのだ。
INFORMATION
CafuneBooks(カフネブックス)
筆者が経営している「CafuneBooks(カフネブックス)」は臨時休業中。2020年4月現在は、Webでの選書サービスとWebショップを主に運営しています。2020年5月中旬をもって店舗は一旦閉じて、Webでのショップとイベントを中心とした業態に変化する予定となっています。

自宅で過ごす時間が増え、部屋の隅に積み上げられた本にようやく手をつけ始めた人もいるだろう。
おうち時間が増えたからこそ、自分とカラダ、そしてココロに向き合うこともできるかもしれない。
1946年4月10日は日本の女性が初めて選挙権を行使した日。それから女性週間と名付けられた。
ランドリーボックスでは、「#お家で読みたいワタシの本」をテーマに、それぞれが選んだ道をエッセイでお届けします。
手ばなせない本、自分を変えた本、置き去りになった本を手にとって——。