生理痛など、日常生活に支障をきたすほどの生理時の不調を総称して「月経困難症」といいます。

月経困難症の症状といえば腰痛や腹痛をイメージしますが、なかには吐き気を感じる人もいます。その原因の一つに「プロスタグランジン」という物質の過剰分泌があると言われています。

プロスタグランジンによる吐き気や生理痛の症状がある場合、機能性月経困難症の可能性があります。この記事では、生理痛や吐き気の原因、月経困難症の症状や対処法を説明します。

生理中に吐き気を感じる原因は、プロスタグランジンの過剰分泌

プロスタグランジンは、生理の経血を子宮から排出するために、子宮を収縮する役割を果たしています。プロスタグランジンが過剰に分泌されると、子宮の収縮が強くなりすぎ生理痛が悪化します。

そして、プロスタグランジンは胃や腸などにも作用するため、下痢や吐き気といった症状につながることがあります。

子宮や卵巣の病気によって、重い生理痛の症状がある場合は「器質性月経困難症」と呼ばれ、子宮や卵巣には異常がないにもかかわらず、プロスタグランジンなどが原因となって吐き気、下腹部痛、腰痛などが引き起こされている重い生理痛を「機能性月経困難症」といいます。

機能性月経困難症と器質性月経困難症の違いや原因

機能性月経困難症と器質性月経困難症の違いについて、説明します。

1.機能性月経困難症

機能性月経困難症では、若くて子宮の入口が狭く出血が外に出にくかったり、プロスタグランジンの過剰分泌によって子宮の過度な収縮がおきることで、強い生理痛が起こります。

2.器質性月経困難症

器質性月経困難症は、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などの婦人科疾患が原因です。器質性月経困難症を治療するには、根本原因になっている病気を治療する必要があります。

3.子宮内膜症

子宮内膜症は、本来子宮の中にあるはずの子宮内膜組織が、卵巣や腹膜などにも発生してしまう病気です。「子宮内膜症の原因と症状、治療法について。生理痛が重い人は要チェック(医師監修)」の記事でくわしく解説しています。

4.子宮腺筋症

子宮内膜に似た組織が子宮筋層内にでき、子宮筋肉が厚くなってしまう病気です。

5.子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮壁にできるこぶのような良性の腫瘍(筋肉の塊)のことです。約25%の女性に子宮筋腫があるといわれています。筋腫ができる場所や大きさ、数などによって症状が異なります。生理痛、貧血、不妊症の原因になっている場合は治療が必要です。

機能性月経困難症の治療

1.薬物治療

痛みや吐き気を引き起こすプロスタグランジンの分泌をおさえる効能がある非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)を服用しましょう。

痛み止めは飲んでから効果がでるまでに約30分がかかるため、痛くなる前に飲むのがコツです。痛み止めは我慢せずに使ってください。痛み止めを飲んでも症状が改善しない場合は、婦人科を受診してください。

2.低用量ピルを服用する

月経困難症の治療薬として使われるピルはLEP(低エストロゲン・プロゲスチン配合薬)と呼ばれ、保険が適用されます。ピル(LEP)を使うことで、月経痛や月経の量を減らすことができます。

実際にLEPを使用したことのある人の経験談を「つらいPMSの生活から解放してくれた超低用量ピル「ヤーズフレックス」(医師監修)」という記事で紹介しています。気になる方はご確認ください。

生理中に吐き気を感じる場合は、月経困難症の恐れがあります。月経困難症をそのままにしておくと、子宮内膜症や子宮筋腫が隠れていたり不妊などにつながる可能性があります。生理のときに日常生活に支障のあるほどの吐き気や痛みがある場合は、早めに婦人科で相談してください。

監修者プロフィール

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医

柴田綾子(しばた あやこ)

2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。
著者:女性の救急外来 ただいま診断中!(中外医学社,2017)、総合医療雑誌J-COSMO編集委員LINEボット「妊産婦さん向けの風邪薬ボット」運営中。

https://twitter.com/ayako700

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