初潮はある日突然訪れます。大人の女性にとっては毎月のことですが、はじめて生理を迎える子どもにとっては驚きと戸惑いの瞬間です。生理には生理痛やわずらわしさなどもありますが、子どもを産む準備ができ女性として成長したという証でもあります。子どもが初潮を迎えたときになるべく戸惑いが少ないようにするために、親の心構えや準備しておきたいこをまとめました。
初潮(初経)の基礎知識、初潮がくる時期
初潮とは、はじめての生理のことを指します。平均すると12歳前後といわれていて、早くて10歳、遅い場合は15歳ごろまでに初潮を迎えます。身体の発育状況によって初潮を迎える年齢が違うため、個人差があります。
ひとつの目安として、身長152cm体重42kg以上といわれていますので、身長が150cmぐらいになったら、そろそろ初潮がくるかもしれないと心づもりをしておきましょう。
また、初潮がくるまえにおりものが出ることもあります。洗濯時に気がついたら、「そろそろ初潮がくるかもしれないね」と声がけしておくのもいいかもしれないですね。
初潮の経血量は、大人と比べると少ない場合があります。経血の状態も人によってさまざまで、うっすらピンク色や茶色、黒っぽいものなどさまざまです。
初潮の前に準備しておきたい3つのこと
初潮はいつ訪れるかわからないので、いつきてもいいように、親子で初潮の準備をしておくといいでしょう。
具体的には、以下3つの準備をしておきましょう。
生理用品を買い揃える
生理用品は種類が多く子どもだけで選ぶのは難しいので、一緒に買いに行き、以下を用意しておくといいでしょう。
- 生理用ナプキン(おりもの用・昼用・夜用
- サニタリーショーツ2~3枚
- ナプキン用ポーチ
生理用ナプキンについては、さまざまなメーカーから出ているので、いくつか試してみるのもいいでしょう。肌に合わないとかぶれることもあるので、実際に使ったあとの感想をお子さんに確認してみることをおすすめします。
サニタリーショーツやポーチは、お子さんが気に入るものを買ってあげるのがいいでしょう。
生理用品の使い方を教える
生理用ナプキンのつけ方、交換するタイミング、使い終わった後の処理の仕方、昼用と夜用の違いなど事前に教えておきましょう。教えておくと、お子さんが1人の時に初潮がきても対応できます。
生理用ナプキンは、経血量が多い日は2~3時間、少ない日でも5~6時間が交換の目安です。それ以上使用すると、雑菌が繁殖しやすくなったり、むれてかゆくなったりすることがあります。
生理がきた日を記録しておく
生理がきた日付を記録しておくことを、お子さんに伝えましょう。
初潮がきてから1~2年は女性ホルモンのバランスが安定しないため周期がまばらになることもありますが、4~5年すると1カ月に1度(25~35日)の周期で生理がくるようになります。
生理の記録をしておけば、生理が半年こない、1か月に2~3回生理がくるなどの異常があった場合に早く気づけます。
初潮を迎えるお子さんをもつ親御さんの心構え
初潮を迎える年頃のお子さんは、不安な気持ちになることがあります。 たとえば、お友達に生理がきたのに自分はまだきていない、逆に初潮が早くきてしまい、生理がきていないお友達に話せないなど、不安もさまざまです。
もし、お子さんがいつもよりイライラしていたり、元気がなさそうだったりするときは、お子さんの気持ちに寄り添いながら、初潮について正しい知識を教えてあげてください。
生理痛やわずらわしさなどを感じることもありますが、生理はお子さんが女性として成長している証です。
また、初潮を迎えたということは、妊娠して出産する能力が備わったということ。これを機に、性教育について考えてみるのもいいでしょう。普段は話しにくい話題ですが、生理の仕組みを伝えるなかで、妊娠や出産についても伝えやすいタイミングともいえます。
娘さんが初潮を安心して迎えられるように、親御さんも準備をしておきましょう。
監修者プロフィール
日本産科婦人科学会専門医
福山千代子
六本木にある「アヴェニューウィメンズクリニック」院長。日本産科婦人科学会専門医 。更年期障害をはじめ、月経痛や月経前症候群(PMS)などの治療も積極的に行っている。女性ホルモンに影響され様々な不調や悩みを抱える女性の生き生きとした生活を応援しています。