腟カンジダは、常在菌であるカンジダが腟内で異常に増えることで発症します。免疫力の低下やホルモンの変化によって起きやすくなります。腟カンジダかどうか気になる人は、この後に紹介する症状を確認してみましょう。この記事では、腟カンジダの治療法、原因、予防を紹介します。

腟カンジダとは

腟カンジダとは、腟内のカンジダが異常に増殖して起こる病気です。カンジダは、腟だけでなく人間の皮膚や粘膜に常に存在している常在菌(真菌)。普段は問題ないのですが、増殖してしまうと、おりものやかゆみなど、さまざまな症状を引き起こします。

また、約20%の女性が腟カンジダを経験しているため、誰でもかかる可能性のある病気といえます。さらに、腟カンジダは再発しやすいことも特徴です。

腟カンジダの症状や原因

腟カンジダにかかると、以下のような症状がでます。

・腟やその周辺に強いかゆみ、ヒリヒリとした痛みを感じる

・白い酒粕のようなおりものが出る

・性交痛

・排尿痛

腟カンジダは、以下のような原因により発症します。

・風邪や疲労、ストレスなどで身体の抵抗力が弱まっている

・妊娠や出産、生理などで常在菌のバランスが崩れる

・締めつけのきつい服や下着を着用することで、デリケートゾーンがむれている

・抗生物質の服用

・糖尿病

・性交渉

・HIVウイルスの感染、など

腟カンジダの検査や治療法

腟カンジダの症状に当てはまる場合は、婦人科を受診しましょう。

婦人科では、おりものを少し採取して、培養して検査を行います。検査結果は1週間ほどでわかります。病院で抗真菌薬のクリームや腟錠などを処方されるので、1週間から10日程度連続で使用します。

腟カンジダは、性交渉などでパートナーにうつることもあります。気になる症状が出てきたら、診察を受けてください。

腟カンジダを予防する方法

腟カンジダにならないためには、原因となる疲労やストレスをためない、デリケートゾーンを清潔にしておくことが大切です。

具体的には、以下のような予防を心がけてください。

・タイツやガードル、タイトなジーンズなど身体を締めつける服装を避ける

・おりものシートやナプキンはこまめに交換する

・通気性のよい下着を着用する

・デリケートゾーンをゴシゴシ洗わない

デリケートゾーンを洗う際は、刺激が少なくしっかりと洗えるデリケートゾーン用のソープ(例:iroha INTIMATE WASH デリケートゾーン用ソープ)などがおすすめです。デリケートゾーンの洗い方については、「においの原因はちゃんと洗えていないから?正しいデリケートゾーンの洗い方(医師監修)」の記事で紹介していますので確認してみましょう。

腟カンジダは再発しやすい

腟カンジダは抵抗力が落ちるとかかりやすいため、再発することもあります。また、再発の場合は、薬局で抗真菌薬のクリ―ムや腟錠の購入が可能です。

腟カンジダの症状はなかなか人に相談しづらいですが、女性であれば誰もがかかる可能性がある病気です。婦人科で診察を受けて、薬を処方してもらえば治せますので、気になる症状がある場合は、早めに婦人科に行きましょう。

監修者プロフィール

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医

柴田綾子

2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。

https://twitter.com/ayako700

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